位相差顕微鏡での観察
お口の中にはたくさんの細菌やウィルス、真菌などの微生物が住みついています。その細菌の種類と量によって、むし歯や歯周病やいろいろな疾患にかかります。歯ブラシを一生懸命やってもこれらの微生物を完全になくすことはできません。
昔から歯科では衛生業界が強かったせいか、むし歯も歯周病も歯ブラシのせいにされやすいですが、それがすべてではありません。
当院で調べた結果では、むし歯の原因は唾液の量、むし歯菌の有無、が重要であり、歯周病の原因は歯周病菌の有無、むし歯の有無、プラークの量が重要でした。
プラーク(歯のごみ)の細菌
普通にはブラシした後、歯と歯の間の残ったごみを針の先でほんの少し採ったものを除いたものです。良く動くもの、細長いもの、球形のものなどいろんな細菌が見られます。
プラーク(歯のごみ)+アルコール
とってきた歯のごみにアルコールをたらして見たものです。全く動く細菌は見られず細菌は死んだようです。
プラーク+オキシュール
上と同じように清掃に使うオキシュールをたらしたものです。発砲した空気の間に活発に動く細菌が見られます。
プラーク+ヨードホルム
今度はごみにヨードチンキをたらしたものです。一見死んだように見えますが、時々動く細菌が見えます。
プラーク+CC
歯の殺菌に使う、匂いの強烈なCCをたらしたものです。チョ-ジ油が入っているせいか水と分離して取り残された部分に活発に動く細菌が見られます。
直接歯面にアルコール塗布し採取したプラーク
今まではとった細菌に薬をたらしたものですが、今度は直接歯面にアルコールをたらし、その後ごみを取ったものです。歯についてる間は細菌層を作っているせいで、中までアルコールは浸透せず、その部分の細菌は生きていることがわかります。
レーザーを照射したプラーク
歯面にレーザーを1、2秒当てたあととったごみです。焼却されたせいか細菌は太くみえ動くものは見えません。細菌層の奥まで効果があるようです。
直接プラークにレーザー照射
今度は取り除いたごみを置いたプレパラートと顕微鏡のレンズの間にレーザーを当てた動画です。1度目はレンズをいたわったせいか上手く当たらず、再度照射しました。そのあとは原爆でも落ちたかのように蒸散と焼却が見られ、動く細菌は全く見られません。
感染根管内の滲出液
腫れてきた原因の根管内の滲出液です。多数の細菌や白血球、赤血球が活発に見られます。根管内は細菌の絶好の住み家のようです。
抜髄した歯髄
歯が痛いとやって来た患者さんの歯の歯髄です。良く見ると、小さな細菌が周囲に動いているのが見えます。大きい細菌は全く見られません。取ったあとについた細菌ならもう少し大小いろいろな細菌が見られてもいいはずです。歯髄炎は細菌の感染はないのが今までの定説になっていますがいかがでしょうか。