食べるということ

 食べることは生きることに繋がっています。また、美味しく食べることは幸せを感じる生きる上での楽しみなことです。この「ものを食べる」という機能は生まれてすぐにはできず、脳の発達とともに習得していくものです。そして、年を取るにつれて、歯が悪くなったり、認知機能が悪くなったりすると、うまく噛むことができなくなったり、飲み込みが悪くなってのどをつまらせたり、誤嚥性肺炎になったりします。

 食べるという作業にはいろいろな要素が複雑に絡み合っており、単純なものから複雑なものまであり、過度の治療を行うことで逆に悪化させてしまうこともあります。大事なことはそれぞれの悩みの原因を的確に診断し、それに対応することです。

 「歯を一生懸命磨いているのにむし歯や歯周病になる」そう悩まれている方も多いかと思います。

 残念ながら、歯を磨いているだけではむし歯や歯周病を防ぐことはできません。昔から歯ブラシや歯磨き粉などの衛生商品メーカーの働きかけがあったせいか、歯科界全体がおかしな考えになっています。むし歯になったり、歯周病が進行することを、あなたの歯ブラシの仕方が悪いととがめられてきた方も多いかと思います。もしも歯ブラシが悪いだけのせいだったら、歯ブラシのうまくできない幼児や高齢者はみんなむし歯や歯周病になってしまいます。歯ブラシも要因の一つではありますが、それ以上に病気を引き起こす原因は口腔内にいる細菌です。むし歯や歯周病を引き起こす細菌がいくつか見つかっています。それらの細菌がいつ感染するか、その時の口の中の状態はどうなのかでむし歯になりやすい人、歯周病になりやすい人が決まってきます。

 むし歯の治療や歯周病の治療をするのとともに、お口の中をよく観察し、必要に応じて細菌の検査をして問題があればそれを改善します。治療が終わった後もその人の口腔内の病気が再発するリスクが高ければ、そのリスクに合わせてメインテナンスをして予防をして行きます。

 生涯自分の歯で美味しく食べられるようにお手伝いをしてきたいと思っています。

 
おばあさんんと孫の写真

 生涯自分の歯で食べて楽しい人生を過ごしていただくことを目標にしています。

 そのために治療より予防に重点を置いています。継続的なメインテナンスを行い、早期の侵襲の少ない治療や予防に努めます。

渋谷付近の航空写真

 本来のエビデンス、総合的な学術に基づき、過度な治療は避け、適切な診断や診療を行います。

 老後にも困らないよう、長い視点での選択肢を考えて行きます。その中で安心してもらえるよう、責任を持った説明、診療を行っていきます。

感染症予防のオゾン発生器

 コロナをはじめ感染症を防ぐために的確な予防策を行っています。

 クリーンな環境でクリーンな診療を行っています。

 

お知らせ

  • 口の中の状態がスマホで見られます

     口腔内の状態を撮影するオーラルスキャナーを導入しました。口の中を撮影しスマホに送ることで自分のお口の中の状態を3Ⅾで確認することができます。

     希望される方はお申し出ください。10分程度で撮影できます。

  • カードが使用できます

     保険診療においてカードのポイントが付与されることが保険の規則でグレーゾーンであったために今まではカードの使用に制限をしていましたが、先月厚労省から通達がありカードの使用が認められるようになりました。それを踏まえて当院でも11月より制限なくカードの使用ができるようにしました。ご利用ください。

     

  • ハチペイ使えます

     ご希望が多かったためハチペイを使えるようにしました。ご利用ください。

  • 石川正直先生による訪問診療の休診について

     石川正直先生の退職に伴い、本院からの訪問歯科診療を6月から中止させていただきます。ご迷惑をおかけいたしますがご了承のほどよろしくお願いいたします。

  • 休診のお知らせ

     日本歯科大学実習講師のため、令和5年10月20日(金)、12月1日(金)午後を、日本障害者歯科学会のため11月11日(土)を休診させていただきます。また、11月17日(金)午後、12月16日(土)健診のため休診します。

     

     

 

痛くない、抜かない、やさしい治療を心がけています

  患者さんの思いは、なるべく痛くなく、抜かないで、やさしい治療をしてほしいだと思います。なるべくそれらに答えられるよう、スタッフ一同取り組んでいます。細かい器具の使い方、痛くない麻酔の方法、必要最小限の治療とともに、適切な診断で痛みの原因を判断することが大事なことです。

 ほんの小さなとげのようなものでもかなり大きな痛みの原因になっていきます。まずはいかにそのとげを見つけ出し、取り出すかだと思います。

 また、1本1本の歯は協調しながらお口の中で仕事をしています。1本抜けてもかなりバランスが崩れます。なるべく抜かないで残せるよう最善の治療を心がけています。

ユニット

メインテナンスと予防処置を中心に行っています

 歯の治療の好きな人は少ないと思います。

 歯の表面が酸で溶けて起こるむし歯も、歯ぐきが下がったり腫れてくる歯周病も定期的なメインテナンスと予防処置を行ってくことでかなり防ぐことができます。    

 一度病気になると、歯の病気は完全にはもとに戻せません。なるべくなら病気になる前に処置をすることが生涯自分の歯でおいしく食べて豊かな人生を送るために大事なことです。

 細菌や唾液の検査、基礎疾患やのんでいる薬剤、嗜好品や普段の食生活を調べたりして問題となるリスクによってメインテナンスの間隔を調整したり、その人にあった予防処置を施していきます。

生涯自分のお口を使って楽しい人生を

 平均寿命がかなり延びてきました。その中で自分の歯やお口を使って食事をすることは大きな楽しみであり、生きていく栄養をとるために必須なことです。

 他にも呼吸や会話やコミュニケーションをとるための表情を作ったりとお口や歯はたくさんの役割を担っています。

 私たちは何気なく毎日お口で食事をしていますが、生後直後は母乳で栄養をとり、その後、お口で物を食べられるようになるには哺乳という原始反射から摂食嚥下という大事な機能を習得 していかなければなりません。

 障害をもった子供ではその機能を体得することが難しい場合もあり、その場合には習得のお手伝いを必要とします。

 また、高齢になり認知症や脳血管障害の病気となると、やはりその機能がうまく働かなくなり、お口から食べ物をとることが困難になると、胃や血管に直接栄養を与えることが必要となる場合もあります。なるべくそうならないように摂食嚥下指導や予防が大事です。

 お口は歯とそれを取り囲む歯肉や骨、ほほや舌から出来あがっています。それらをうまく使って私たちは食事をしています。

 歯の病気や歯肉の病気、あるいは潤滑液の役割や抗菌作用もある唾液の出方、嚥下にも関わる舌の動きなど様々な状態を把握しながら、一生自分のお口で楽しく生活できるよう治療や予防を行っています。

 

なるべく自分の歯で食事をするために

 なるべく自分の歯は削りたくないし、抜きたくないと思います。歯がなくなると残った歯にその部分の負担がかかりますので入れ歯やインプラントでその部分を代用することになります。

 しかし、入れ歯では自然の歯に比べてかむ力がかなり低下しますし、インプラントも導入して20年以上たちかなり不自由なく機能しますが、それでも免疫学的な問題を完全にはクリアしていません。できれば自分の歯が一番です。

 歯の喪失の原因としては、歯周病やむし歯や歯の破折、その原因となる残っている歯が少なくなること、かみ合わせの不具合、お口の中の清掃不良、歯の神経をとること、唾液の減少、タバコなどがあげられます。それを防ぐためには、若いころからの対処や予防が必要です。

 単に痛い歯や腫れを治すだけではなく、どうすれば歯が長持ちし、ご自分のお口で美味しく食べられ幸せな生活を送れるか、それを目標としています。

歯周病で困っていませんか

 歯周病とは歯を支える歯周組織の病気で、徐々に歯を支える骨がなくなっていき、しみたり歯がぐらぐらし、最後は抜けてしまう病気です。

 部分的に歯を支える骨がなくなる場合には歯に原因がある場合がほとんどで、いわゆる歯周病とはお口の中全体の歯の周りの骨がなくなっていくのを呼んでいます。したがって多くの歯をなくす原因の一番手が歯周病なのです。

 その歯周病の原因はP.gingivalisという細菌の感染と歯についた汚れ、喫煙などです。この細菌は蚊みたいに血の中の鉄分を求めて、歯と歯肉を結合する組織を壊しては体内に侵入しようとします。その時に一緒に他の細菌も侵入し、その防御反応として生体はその部分を攻撃するとともに、上皮という壁で囲い骨を吸収させ危険地帯から遠ざけることで細菌の侵入を阻止しようとするのです。

 この時に手術で上皮の壁を取り除けば細菌の侵入を助けることになります。このP.gingivalisは動脈硬化を起こした血管壁や心筋梗塞で亡くなった患者さんの心臓壁からもみつかっています。

 この細菌は年齢とともに徐々に保有率が高くなり、性病と同じような水平感染が考えられます。また、S.mutansというむし歯の原因菌は歯の表面を粘着性のあるテントの様な膜で覆うために、他のP.gingivalisのような新たな細菌の感染を防ぐことから、むし歯の多い人には歯周病が発生しにくくなります。

 したがって歯周病の治療においては細菌検査を行い、P.gingivalisを保有しているかどうかが大事なことになります。細菌検査は5分間ガムをかんでもらいでてきた唾液を採取し、検査施設に送るだけで判定することが出来ます。

 もし、細菌がいた場合には除菌することで、歯周病から開放されます。 腫れた歯肉を手術で切り取る方法も多く行われていますが、原因の細菌をなくせば自然の治癒力で健康な歯肉に戻ることがほとんどです。逆に原因がそのままでは再発を繰り返すだけです。

 また、タバコのような汚れは歯の表面に付着し、汚れた部分を生体は自分ではなくとげのように異物として判断するようになったり、ニコチン作用で血流が悪くなったりして、歯周病が治りにくいものになります。

むし歯にならないために

 一生懸命歯を磨いているのにすぐむし歯になっていきませんか。

 むし歯は細菌からでた酸で歯が溶けて穴があいてできます。お口の中にはたくさんの細菌がいて、ほとんどの細菌が酸を出します。ただ、お口の唾液の中を細菌が泳いでいるうちはそれほど悪さはしないのですが、細菌が歯にくっつきその栄養源となる食べかすや糖が加わると歯が溶けていきます。

 とくにむし歯菌といわれるS.mutansという細菌に、ショ糖のえさが加わると、べとべとした被膜を作って、それがテントのように細菌の繁殖の邪魔をしている唾液の侵入をさまたげ、歯についた細菌からの酸で、むし歯になって行きます。

 むし歯になりますと歯科医院で治療を受けることになります。ただどんなに優れた修復材でも天然の歯にかなうものはありませんし、歯の中の神経をとりますと栄養や免疫を担っている血液の循環もなくなり、結果として歯はもろくなり、生きている歯ほど長持ちはしなくなります。したがって、むし歯になる前の予防が大切なのです。

函館鉄道

→歯の119番